よくあるご質問

Q.
夫のイビキがうるさかったのですが、最近寝ている時に呼吸が止まっています。睡眠時無呼吸症候群でしょうか?
A.
睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。人によっては疲れていたり、アルコールをたくさん飲んだりすると、筋肉が緩んでしまって無呼吸を起こす場合があります。無呼吸の時間や回数で睡眠時無呼吸かどうかという診断をしますので、普通の時でも無呼吸を起こしているようであるなら、まず診断をつけるためにも検査を受けることをお勧めします。
Q.
睡眠時無呼吸の検査というのは大変な検査なんでしょうか?
A.
当院で行っている検査は、ご家庭に器械を持ち帰っていただき、それを装着して寝ていただくだけです。普段通りの生活を送っていただけます。起き上がったり、寝返りを打ったりもできます。ただ、一日では上手く測定できていないこともありますので、少なくとも二日間は装着していただくようにお願いしております。その測定結果を、ご本人やご家族の方に持ってきていただいて、それを解析後、後日説明させていただきます。この検査で重症の場合は、すぐにCPAP治療に入ることもありますが、場合によっては一泊入院で精密な検査を要する場合があります。その場合は、そのような施設をご紹介致します。

Q.
睡眠時無呼吸は痩せている人にもあるのですか?
A.
無呼吸症候群は、一般には肥満している方に多い病気です。しかし、日本人は欧米人に比べて、顔面頭蓋構造が小さいため、気道が狭くなりやすく、また下顎が小さい方は、無呼吸をおこすことがあります。従って、肥満していない標準体型や痩せている方でも、無呼吸症候群は起こることがあります。
Q.
子供にも無呼吸症候群はあるのですか?
A.
もちろんお子さんにもあります。大人の場合は、1時間あたりの無呼吸・低呼吸が5回以上であれば睡眠時無呼吸症候群となりますが、小児の場合は1時間あたり1回以上の無呼吸・低呼吸が診断基準となります。放置しておくと、身体発育や顎・顔面骨格の発育に影響したり、記憶力・学習能力の低下に影響することもあります。ただ小児の場合は、大人とは違って扁桃肥大(扁桃腺が大きく、ほとんどノドの奥が見えないお子さんもいます)や、アデノイド肥大(鼻の奥にある扁桃腺で、大きいために鼻の奥がブロックされてしまうことがあります)が原因になることが多くあります。寝ている時に、息を吸うときにみぞおちがへっこむような呼吸をしたり(陥没呼吸)、扁桃腺が大きいために食事にも支障があったりするような場合は、手術をすることで多くの場合良くなりますが、最近では軽症〜中等症の小児の睡眠時無呼吸症候群では、ステロイド点鼻薬とロイコトリエン拮抗薬というアレルギーのお薬で効果があるという報告もあります。
Q.
家でできる治療法があると聞いたのですが、どのような治療法ですか?
A.
CPAPという治療法があります。寝ている時にマスクを装着して、そのマスクから呼吸の状態に合わせて空気を送り込んできます。そのようにすることで、気道に圧力をかけて気道を広げる治療です。保険で治療可能ですが、軽症の方には適応になりません。検査をした上で、保険の適応になるかどうかを判断します。保険で治療するときには、定期的な受診が必要になります。 上手く使えれば、その日からイビキも無呼吸もよくなりますが、CPAPをはずすと元に戻ってしまいます。そのために、肥満している方はCPAPを使いながら、減量を進めていったり、飲酒などの生活習慣の改善を同時に行っていく必要があります。

Q.
CPAPを始めたのですが、途中で苦しくなってはずしてしまいます。どうすればよいですか?
A.
残念ながらCPAP療法が上手く行えない方もおられます。しかし、睡眠時無呼吸症候群を放置することは、日頃の作業効率の低下や運転中の居眠り等での交通事故や、5年後、10年後の死亡率を上昇させるなど危険です。最初は慣れなくても、だんだんと慣れていきますので、少しずつCPAPを装着する時間を延ばしていきましょう。
Q.
CPAPを上手く使うコツはありますか?
A.
いちばん違和感を感じるのは、器械の空気を送り込むタイミングと自分の呼吸のタイミングが合わないことです。まず、鼻で呼吸をしましょう。さらにマスクから空気の漏れがないか、を確認して下さい。
その上で、

①軽く口を閉じて深呼吸をする感じで、息を吸うほうに意識をおきます。
②息をはくときは、器械から来る空気とぶつかりますが、しんどくなれば、また深く息を吸うようにします。
③これを繰り返していきます。
④呼吸を器械に合わせにいくのではなく、自分のリズムで行うようにして下さい。だんだんとコツがつかめていきます。

最初から上手く使える方は、毎日CPAP療法を行っていきましょう。しかし最初は上手く使えない人も多くおられます。その方たちも、1、2ヶ月使っているうちにだんだんと慣れていき、昼間の眠気も無く、熟睡感もあることから、必需品となっている方も多くいらっしゃいます。
CPAPの器械が上手く行えないと感じる方は、以下のように慣らしていきましょう。

1週目

まず、マスクをつけて、装着した感覚になれましょう。CPAP治療にはマスクに漏れがないように、またきつく締めすぎないようにする、マスクのフィッティング具合が最も重要です。 そしてはじめは、お昼間の少しの時間からでも練習してみましょう。いきなり夜間の睡眠時に使わなくてもOKです。

2週目

夜、就寝するときにCPAPの器械を使ってみましょう。 朝、起床するまで連続して使えなくてもOKです。夜間に無意識のうちにマスクをはずしていても、問題ありません。繰り返すうちに、少しずつ朝まで使用できるようになっていきます。使える時間を伸ばしていけるように頑張りましょう!

3週目以降

毎日、続けて行きましょう。

「CPAP治療をしながらの呼吸」なので、当然違和感があります。この呼吸に慣れるには、個人差があります。慣れない間は、昼間に使用してCPAP治療に慣れていき、それから夜間に使用して、時間をどんどん伸ばして行くようにしましょう。

Q.
CPAPを使っていると、特に冬場は鼻の奥が乾燥して使いにくくなるのですが、何か良い方法はありますか?
A.
冬などの気温が低く、空気が乾燥する時期はCPAPが送り込む空気も乾燥します。加湿器を使用して寝室の加湿をするほかに、CPAPには専用の加温加湿器があります。お悩みの方はおたずね下さい。
Q.
CPAPを使っているとチューブに水がたまります。どうすれば良いですか?
A.
それは結露です。室温が低いことが原因ですので、寝室の温度を調整して下さい。その他にも、チューブを冷やさないために、チューブをタオルや断熱材で巻いたり、チューブを布団の中に入れる方法も有効です。
Q.
どうしてもCPAP治療ができません。なにか他の治療法はありませんか?
A.

無呼吸の程度が軽い人は、マウスピースを装着して治療をおこなう方法があります。これは、専門の歯科でマウスピースを作ってもらって、それを寝ているあいだ装着して、下顎を前に出すようにすることで、気道を広げようとするものです。中等症から軽症の無呼吸症候群で効果があるとされており、主に舌根部が原因のイビキ・無呼吸に効果があると考えられます。 その他に、手術での治療法もあります。 代表的なものは、咽頭形成術といって、扁桃腺を両方とも摘出した後、軟口蓋(のどちんこ周囲の粘膜)を縫い合わせる手術です。また、鼻閉が強い場合は、鼻の手術をすることもあります。 CPAP療法は気道全体を広げることができるので、どの方にも効果が期待できますが、マウスピースや手術は、その原因になる閉塞部位によってどの程度効果があるかは、実際には行ってみないと分かりません。


また、就眠時にナステントというシリコン製の細いチューブを、自分自身で鼻から入れる治療法もあります。 希望される方は、チューブの長さを決めるために一度受診していただき、鼻孔からの適切な長さを測定し、指示書を医療機関で記載する必要があります。


ナステント
ナステントは、自分自身で就眠前に鼻の中に挿入するものです。ナステントには、長さだけでなく、どちらの鼻に挿入しやすいか、また適切な硬さはどれか、という点で、
・120mm〜145mmの6つの長さ
・右鼻用と左鼻用
・ソフトとハード
のバリエーションがあります。


受診時に診察・検査のうえ、ナステントが適応になると判断できた場合は、適切なナステントを記載した指示書を、お渡し致します。 ナステント使用中に、鼻出血や鼻腔内粘膜損傷などを引き起こす可能性があります。



なお、ナステントは当院では販売を致しておりません。インターネットや取扱店での自費購入となります(販売価格 3、220円(消費税別)7本入り 7日分)。 さらに、「ナステントの指示書のみを書いて欲しい」といった場合は、自費診療となりますので3、500円となります。